十五の妄影(もうえい)

聞き慣れた声。

けれど聞こえない声が僕に語りかける。

目を開く僕。

同時に触手も動きを止める。

…誰…?

『死ぬなんて駄目』

誰なの?

『死んで全てを閉ざしては駄目』

耳に届く声じゃない。

僕の内面…妄影を通じて、僕に届く声。

それは、精神世界からの対話だった。