十五の妄影(もうえい)

それは、晋作君と同じクラスの男子生徒。

気の弱そうな、華奢な少年だった。

「翌日になって、晋作がみんなに責められてるの見て…怖かった…言い出せなかった…本当の事言うと俺がいじめられるから…ずっと黙ってた…晋作に罪を被せたんだ…」

「……!!!」

その独白に、私は憤る。

彼が…彼が卑怯者だったばかりに、晋作君は…!!

しかし。

そんな男子生徒の懺悔を聞いても、妄影の体内では何の変化も起こらなかった。

「晋作君…」

私は声を震わせ、涙をこぼしながら呟く。

「彼も…彼さえも…許すっていうの…?」