十五の妄影(もうえい)

掌が、膝が、擦り剥けてしまっても構わない。

私は必死で暗闇の中を這いずる。

そして。

「!!」

いた。

見つけた。

無限とも思える晋作君の精神世界。

黒一色と思える妄影の体内。

だけど気づいてみれば、意外なほど近くに『彼ら』はいた。

クラスメイト達。

お母さん。

担任の先生。

SATの隊員。

特殊作戦群の隊員。

あちらこちらに。

妄影に飲み込まれた筈の犠牲者達が倒れていた。