十五の妄影(もうえい)

やばい…やばいよこれ…。

頭を抱え、絶叫しそうになる自分を必死に堪える。

意識…意識をしっかり持たなきゃ。

こんな所、一人でいたら気が狂いそうだった。

こんな圧倒的な孤独感、経験した事がない。

これが、晋作君がずっと感じていた『孤立』。

こんな発狂しそうな精神状態で、晋作君は何ヶ月も過ごしていたっていうの?

誰にも手を差し伸べられず、誰にも助けられず、誰にも理解されず。

世界に自分を許容してくれる人はいない。

そう思い込みながら、ずっと一人で耐えてきたっていうの?

…駄目だ。

私はその場に蹲る。

こんな場所、普通の人間の精神状態じゃ耐えられない。

おかしくなって死んでしまいそうだった。

晋作君は自分と同じ孤独を味わわせた上で、飲み込んだ人間を葬ろうとしているんだろうか。