十五の妄影(もうえい)

「晋作君!」

僕をなだめるように、佐奈さんが声を上げる。

「私は君の事を思って言ってるの!このままこんな事続けていたって、何の解決にもならないから!だから!」

「わかった…わかってるよ、佐奈さん」

僕の耳に、佐奈さんの言葉は届いていなかった。

結局は佐奈さんも他の連中と同じなんだ。

僕を押さえつける事しか考えていない。

僕のやる事を否定する。

僕の事を認めてくれない。

佐奈さんも、僕の味方ではなかったんだ…!