十五の妄影(もうえい)

ざわざわと。

また妄影が蠢く。

「!」

佐奈さんの顔色が変わった。

「佐奈さん…わざわざそんな事を言いにきたの?」

「し、晋作君…?」

佐奈さんの声が震える。

…僕だって佐奈さんを怖がらせるような真似はしたくない。

だけど…それ以上に悲しかった。

一番信頼を置いていた佐奈さん。

友達以上に、親以上に信頼していた佐奈さん。

その佐奈さんの口から、一番聞きたくなかった言葉を聞かされた。

僕は…唯一の理解者にまで裏切られたんだ!