十五の妄影(もうえい)

しかし。

特殊作戦群の隊員達は勘違いをしていた。

確かに僕は閃光発音筒の爆発で動けなくなった。

だけど、僕にはまだ妄影がいる。

隊員達は、妄影が僕の『体の一部』だと思っているらしいけど。

違う。

妄影は『もう一人の僕』。

僕と意識を共有しているけど、僕とは別の人格でもあるんだ。

だから、僕が動けなくなったとしても。

「!?」

隊員達の目の前で、妄影がその翼と化した身を大きく広げる!

咄嗟にM4A1カービンアサルトライフルを構える隊員達。

指揮官も即座に指示を出す。

「発砲許可!」