十五の妄影(もうえい)

胸の中に溜まった感情を吐き出すだけ吐き出した頃。

「!」

大きな音が聞こえてきた。

ヘリコプターのローター音。

…上空を、大型のモスグリーンのヘリが飛んでいた。

テレビ局のヘリとは明らかに違う。

自衛隊のヘリコプターだった。

そのヘリから二本のロープが下がり、そのロープを使って、迷彩服を着た何人もの隊員達が懸垂降下してくる。

降下した隊員は学校の敷地を囲む塀を遮蔽物に、素早く僕を包囲。

手にしたM4A1カービンアサルトライフルを構える。

「お出ましか」

わざと悪党みたいに、僕は不敵な笑みを浮かべてやった。

思ったよりも早かった。

こいつらが、自衛隊特殊作戦群か。