十五の妄影(もうえい)

自衛隊特殊作戦群。

聞き慣れない名前だ。

そのニュースの説明によると、自衛隊唯一の特殊部隊であり、主要任務は対テロ及び対ゲリラ作戦であるが、将来的には米陸軍特殊部隊と同様の世界水準の特殊部隊を目指しているとか。

つまり。

僕は歯噛みした。

自衛隊まで。

国を守る筈の自衛隊まで。

僕を『悪者』と認識しているって事だ。

国に害のある者として見ているって事。

その自衛隊に命令した政府そのものが…この国そのものが、僕を否定しているって事だ。

「…いいよ…好きにしろ」

僕の中で、またふつふつと憎悪が煮えたぎる。

それに呼応するように、妄影もざわざわと蠢いた。