十五の妄影(もうえい)

僅か数分の出来事。

晋作君の目の前からは、誰もいなくなる。

…生中継のカメラの目前。

容赦も躊躇もなく、晋作君はその行為をやってのけた。

恐らくは大勢の人間が見ている目の前で、凶行に走ってしまった。

戦慄、畏怖、恐怖。

見ていた私達を、そんな感覚が支配する。

そして私は思った。

…これは私達全員の罪。

彼を救おうとしなかった、私達全員の罪なのだと…。