十五の妄影(もうえい)

復讐に凝り固まった晋作君。

その彼の意思通りに、無数の糸と化した妄影は動いた。

逃げようとする隊員達を、意思を持った生き物のように素早く絡めとり、巻きつき、締め上げて。

「うぁっ、ぎ…あ゛ぁぁあぁあ゛あ゛あ゛っ!」

黒く昏い闇の中へと引きずり込む。

晋作君がたった一人で抱えていた心の闇。

彼の屈折した心の中。

鬱屈した心。

その中へと飲み込む。

誰一人として逃がさない。

屈強なSAT隊員さえ、その魔手からは逃れられなかった。