十五の妄影(もうえい)

見た目は只の翼のようでいて、妄影は頑強だった。

どんなに弾丸にその身を叩かれても、まるで鉄板を撃っているような感覚。

弾丸を防ぎ、弾き、全く通さない。

何十発、何百発という弾丸が命中しているというのに、ただの一発も、中の晋作君に届く事はなかった。

…やがて硝煙にかすむ中、発砲が止む。

残ったのは弾切れになったSAT隊員と、微動だにしない妄影の姿。

その妄影の中から…。

「撃ったな…」

声が聞こえた。

「撃ったな…僕を撃ったな…?僕を殺そうとしたんだな!?」

晋作君の声。

その声に怒気がこもる。