十五の妄影(もうえい)

指揮官は容赦なかった。

「発砲許可!」

無線機を通して叫ぶ!

「やめてぇっ!」

私がその指揮官の無線に向かって叫ぶものの。

「!!!!!」

晋作君を包囲したSAT隊員、その手の中のMP5A5が咆哮を上げた!

吐き出される弾丸。

学び舎に響く銃声。

寸分の狂いもなく、銃弾は晋作君に放たれる。

しかし!

その弾丸が晋作君の体を貫く事はなかった。

黒い翼が晋作君を包み込むように折り畳まれる!

まるで親鳥が卵を守るように。

妄影がその身を呈して、晋作君を銃弾から守った。