十五の妄影(もうえい)

ぞわりと。

晋作君の背中の黒い翼状の影…晋作君言う所の『妄影』が動いた。

大きな翼を広げるように、妄影が蠢く。

「!!!!」

SAT隊員達が警戒するように動いた。

「そうか…」

晋作君の瞳に色がこもる。

憎悪の色。

自らを否定する全ての者に対しての、憎しみの色。

「あんた達も妄影を…僕の唯一の友達を化け物だと思ってるんだね…僕の事は一度も助けてくれなかったくせに…僕が優位に立つと、化け物呼ばわりして、また迫害するんだね…」

晋作君は頑なになっていた。

周りはみんな敵。

自分は孤立した存在。

そんな考えから抜け出せずにいた。

翼と化した妄影が、更に蠢く…!