十五の妄影(もうえい)

幸い日向高校はそんなに遠くない。

走って十五分くらいで到着する事ができた。

…学校の校門前は、取材陣、野次馬、警察などでごった返している。

その人混みの中を掻き分け掻き分け、校門の手前まで。

「こら君!校内は立ち入り禁止だ!」

警備の警察官に止められる。

「あの!私!」

まだ整っていない呼吸のまま、私はその警官に告げた。

「男子生徒の知り合いなんです!中に入れてもらえませんか?」

「何?」

警官が少し驚いた顔をする。

でも…。

「それは無理だ。知り合いだろうと家族だろうと、中には入れない。これからSATが突入するんだ」