十五の妄影(もうえい)

私はすかさずテレビの電源を切る。

こんな所でのんびりテレビを見ている場合じゃない。

大急ぎで着替えを済ませる。

勿論日向高校に行くつもりだった。

何が出来る訳でもないかもしれない。

だけど、ここで手をこまねいて見ているよりはマシだ。

私は唯一、晋作君の味方だ。

私なら、晋作君の凶行を止められるかもしれない。

これ以上晋作君に罪を重ねさせない為にも…。

私は戸締まりもそこそこに、部屋を駆け出していった。