しばらくすると先生らしき男の人が入ってきた。

多分担任だと思う。


「みんなおはよう!!今日からこのクラスの担任になった。岡本貴大(オカモトタカヒロ)だ。よろしくな」




やっぱり担任か・・・。
でも見た目は背が高くてかっこいい。
まだ20代後半ぐらいかな?




「それじゃあさっそくだがそれぞれ自己紹介をしてもらう。」



自己紹介・・・。一番嫌な事。
あたしはだいたい人前で何かするのは苦手なほう。
だから初対面の人が多い中一人だけ立って
自分のことを話さないといけない自己紹介が一番嫌い。



みんなもそれぞれ不満だって訴えてる。
でもしなきゃいけないんだよね・・・。これが・・・。





一通り自己紹介が終わったところで
また先生が口を開いた。


「では次。学級委員を決める!!誰かやってくれる人!!」



そんなの誰もしないでしょ。



「だれもしないのか?」


案の定誰もがそっぽを向いて嫌だって目をしてる。
わざわざ自分から目立たなくてもねぇ。


「だれもしないんだな?じゃあ・・・」
「先生!!俺と二嶋がします!!」




えっっ!?
って・・・慧くん!?



「おっ!!じゃあ宇野と二嶋よろしくな」
「はい!」



え・・・ちょっ・・・ちょっと待ってよ!!



「慧くん!?」
「いいだろ?俺もするんだし。なっ?」


きらっきらの笑顔をあたしに向けてくる慧くんに
あたしは何も言えなくてただぼーっと慧くんを見ていた。