「つーかさっき気をつけろっていったばっかじゃん」
「ごめんってばぁ」


こんな他愛もない話も幸せだったりする。

あたしはもう一度体育館の方へ向きなおった。



「幸祐ぇ早く着替えろ!!」
「はい!今行きます!」


幸祐・・・?


どっかで聞いたような・・・?

最後までシュート練をしてた人の名前。

顧問の先生に呼ばれた名前・・・。


あたし、目悪いからなぁ・・・。


「高木!早く着替えねーと!!」
「わりぃ今行く!!」


今度は更衣室の方から声がする。


・・・?

高木・・・?


ってあの高木先輩!?

へぇ・・・高木先輩ってバスケ部なんだ・・・。

初めて知った。


「なに見てんの?」


慧くんの声がする。


「バスケ部の練習。あの【ダンダンダンダン・・・シュポ!】って音、好きなんだ♪」
「ふーん」


慧くんも体育館の方へ目を向けた。


「さっきまでシュート練してたんだけど高木先輩がいたの」
「・・・そっか。」



そっけない返事。
なんでかな・・・?
前の委員会のときも変だったし・・・。



「いこーぜ」
「うん・・・。」


あたしたちは段ボール箱をゴミ置き場に置いて帰った。


その間あたしたちは一言もしゃべらなかった。