こうしてあたしの人生で一度きりの高校生活がスタートした。


それから毎日のように委員長の仕事をして
普通の毎日を過ごしていた。


そうあの時までは・・・



ピーーーーーー


その日はまたあたしと慧くんが委員長の仕事で遅くまで作業してたとき。

体育館からホイッスルの音が聞こえた。
今は午後6時。
体育館ではバスケ部とバレー部が部活していて
部活終了間際の時間だった。


あたしはそのホイッスルの音にビックリして

もっていた段ボール箱を落としそうになった。
慧くんがとっさに支えてくれたけど・・・。


「あっ・・・ありがと」
「いえいえ。てか気をつけろよ」
「はぁい」


あたしは部活をしてるのを見に体育館の入り口まで近寄った。


そこではバレー部が片付けをしていて

バスケ部の1年生らしき人たちが片づけを
2,3年生らしき人はシュート練をしていた。


ダンダンダンダン・・・シュポ!

次々にシュートを決めていく人。



その音がなぜかあたしの耳には心地よく聞こえて聞き入ってしまった。



「・・・菜!!ゆ・・・な!!友菜!!」
「へ・・?あ、ゴメンゴメン!!」


気づけば隣に2つ段ボール箱を抱えている慧くんがいた。

知らないうちに段ボール箱を落としてしまっていたみたい。



「なにボーっとしてんだよ!」
「ゴメン・・・」


あたしは慧くんから段ボール箱を受け取った。
すると慧くんはあいた方の手で
あたしのおでこにデコピンをした。


「いったぁ・・・」
「ボーっとしてたお仕置き」


いたずらっぽく笑ってあたしの頭をクシャクシャっとした。