「俺・・・友菜が好きなんだ」
「へ・・・?」


あたしの思考が停止する。
いくら天然って言われてるあたしでもコレくらいのことはわかる。
今、自分がどんな状態でどんな状況なのか。



落ちついて整理してみる。

あたしは今昇降口にいて・・・
帰ろうとしてて・・・
慧くんに腕をつかまれて・・・
抱きしめられてて・・・
「好き」って言われて・・・



・・・って!!あたし・・・

告られたぁ!?


「ちょっとまって慧くん・・・」


慧くんの体からはなれようとする。
でもさらに強く抱きしめる慧くん。
もちろん男の人の力に勝てるわけもなくて・・・



「俺がさっき言おうとしてたのは俺の気持ち」
「だからすき焼きって・・・」


照れてたんだ・・・
カワイイとこもあるじゃん。


「ハハッ!!照れてたんだ?」
「うっせー//」


慧くんは顔を真っ赤にしてムスっとした顔。
自分の顔を見られてることに気づいた慧くんはもっと強く抱きしめた。
ちょっと苦しかったけどそんなの気にならなかった。


「もう笑うなよ・・・」


そういってあたしを離し頭をクシャクシャっとした。


「もう・・・!」


慧くんはあたしの怒った顔を見て笑った。
それから真剣な顔をして



「返事は・・・?」


と聞いた。

正直、あたしは悩んでる。
今日初めて会った人に告られて
まだお互い相手のこともよく知らないで
慧くんは本気でもあたしがあいまいな気持ちで付き合いだしてもよくないと思ったから。




「あのね、あたしたち今日会ったばっかじゃん。だからお互いになんも知らないでしょ?だからもうちょっと考えさせて?」