どうして?なんで?何があった? さっきまで、ドアノブを握ったりしていたはずなのに。 姉に触れない。 「おねーちゃん…、おねーちゃん…!!」 声も届かないようだ。 何度姉を読んでも、反応がない。 「おねーちゃん… ねぇ…、おねーちゃんってば…!!」 麻奈の目から、涙が溢れてきた。 「おねーちゃん、おねーちゃん、おねーちゃん!おねーちゃん…!!」 また肩に触れようとした。 そのとき、 姉がくるり、と窓の方を向いた。 相変わらず赤い月が、夜空に浮かんでいる。 「おねーちゃん…!?」