時間だけはキッチリ過ぎていく。 時が止まればいいのに……と、この時ばかりは本気で思った。 夜になり、私は一海さんと車に乗って二階堂家に行った。 後から一海さんのお父さんも来るみたい。 二階堂家は西園寺家と違って、家は洋風の造りになっている。 まるでお城のような洋館。 「凄い……」 車から降りた私の第一声。 「何をボーとしてる。行くぞ?」 「あ、はい」 私は一海さんの後ろについて、開けられてる門を通って中に入った。