桜の木の下で…―運命に導かれて―





「桜子ちゃん?」



泣いてる私を見て、多恵ちゃんが心配そうに声をかけてきた。


そして私の背中を優しく擦ってくれた。



「ゴメン、ね……。泣けてきちゃった……。何でかな?私、おかしいよね……」



私は泣き笑いの顔をしながら言った。


多恵ちゃんは微笑みながら首を左右に振る。



「あのね、桜子ちゃん。人を好きになるってね、素敵なことだと思うんだ……」


「素敵な、こと?」


「うん」



多恵ちゃんがニコッと微笑む。


昨日と立場が逆転した私と多恵ちゃん。


まさか多恵ちゃんにあんな事を言われるとは……。