桜の木の下で…―運命に導かれて―





「多恵ちゃん、大丈夫なの?」


「ん?何が?」


「ここに来て」


「うん。大丈夫だよ。それより今日、桜子ちゃん、元気がなかったみたいだから心配で……」



多恵ちゃんから一海さんの許婚の話を聞いてから上の空だった。


一海さんの許婚の話を聞いただけで、何でそうなったのか私にもわからなかった。


許婚の美乃さんを見た時も、綺麗な人だと思ったけど、でも変な感情が込み上げてきた。