夜――。 私は窓を開けて、庭の桜の木を見ていた。 月明かりに照らされた桜。 咲き始めたピンク色の花びらが輝いている。 “コンコン” 部屋のドアをノックする音がした。 「はい」 私はドアに向かって返事をする。 「桜子ちゃん?」 多恵ちゃんだ。 「どうぞ?」 私がそう言うと、ドアが開けられ、浴衣姿の多恵ちゃんが部屋に入ってきた。