「桜子さん?」
朝ごはんの時間。
小泉さんが私の名前を呼んだ。
「はい。何でしょう?」
そう言って、お味噌汁を一口飲んだ。
「私たちは西園寺家に仕える者です。立場を弁えなさい!」
なんだそんなこと。
「だってさぁ……」
何でもかんでもお手伝いさんがする必要なんてないと思うけど?
相手もいい大人なんだから、自分で出来ることは自分ですればいいのに。
「だってじゃありません!一海様に口答えするなんて言語道断です!それに口の聞き方にも気を付けなさい!」
小泉さんの説教に周りにいたお手伝いさんたちが黙る。
小泉さんってよっぽど怖い人なんだろうな……。
だって小泉さんが何か言うと、皆黙っちゃうんだもん。



