「お前、朝から居眠りして、俺の命令を無視するとはいい度胸だな」
「度胸だけはあるので」
私はニコッと笑った。
「お前は俺専用の女中だ。俺専用の女中は俺の命令を聞くのが仕事だ。いいか、俺の言ったことは絶対だ。口答えは許さんと昨日言ったはずだ」
もぉ!うるさい!
わかったわよ!よそえばいいんでしょ!よそえば!
私は何も言わずに、一海さんの手からお茶碗を乱暴に取った。
そして、ご飯をてんこ盛りに盛って机の上に“ドンッ”と置いた。
「これで宜しいですか?い・ち・か・さ・ま?」
私はニッコリ微笑んだ後に、一海さんの顔を睨み付けた。



