桜の木の下で…―運命に導かれて―





「一里様は代々軍人の由緒正しい家系でお育ちになった方。私は田舎の農家の出身で学もない。身分が違い過ぎるの……」



多恵ちゃんは遠い目をしながら言った。


そんな……。


身分が違い過ぎるから好きになってはいけないって……。


お互い、好き合ってるのに?


そんなことってアリなの?



「でも私は一里様を見てるだけで幸せだから……」



多恵ちゃんは目に涙をいっぱいため、泣き笑いのような顔をした。


この時代は、私のいた時代と違って、身分や家柄で全て決まるんだろうな。


だから付き合ったり結婚したりも、そういうのが関係してくるのかも。


西園寺家のような家系なら尚更そうなのかも。


家同士が決めた結婚相手がいて……。


一海さんもそうなのかな。


……って、なんで一海さんのそんなことが気になるんだろう。


私には関係ないのに。


でも、好き同士なのに身分が違うからって恋人同士にはなれないなんて。


切ないよ……。


辛すぎるよ……。