桜の木の下で…―運命に導かれて―





「一里様も桜見てるかなぁ……」



多恵ちゃんが桜を見ながらポツリと呟くようにそう言った。


えっ?


多恵ちゃん……もしかして……。



「多恵ちゃん?一里さんのこと……」


「えっ?」



多恵ちゃんがビックリした顔で私を見る。


顔が赤くなってる。


顔を赤くして、少し恥ずかしそうに俯いた姿が初々しくて可愛い。



「一里さんのこと、好きなの?」



私は多恵ちゃんの顔を覗き込むようにして言った。


顔を真っ赤にして無言で小さく頷く多恵ちゃん。


やっぱりね。