桜の木の下で…―運命に導かれて―




長男の一海さんは20歳。
今年の3月に海軍兵学校を首席で卒業したエリート。


頭もよく容姿もいい。
女の子には絶大な人気があるらしい。
まぁ、性格は最低だけど、わからなくもない。


卒業後、1週間の休暇をもらい実家に帰って来てるみたい。
だから自分の父親に“ご無沙汰してました”なんて挨拶をしてたのね。


次男の一里さんは18歳。
海軍兵学校に通ってるため、この家にはいない。
夏には帰郷するみたいだけど。


長女の一穂さんは15歳。
私と同い年。
体が弱くて、学校には通ってないみたい。
自宅療養中で、部屋で寝たきりの生活をしてるらしい。


西園寺家には6人のお手伝いさんが住み込みで働いてる。


あと、男性の使用人が2人いるらしい。


そう彼女が教えてくれた。