彼女について部屋を出ようとした時……。
「タエ!」
一海さんが彼女を呼び止めた。
「はい!」
彼女の体がまた小刻みに震えてる。
一海さんが、そんなに怖いのかな?
「こいつの部屋は俺の部屋の隣だ。いいな」
「はい。かしこまりました」
彼女が頭を深々と下げる。
はぁ?
また私の頭の中で何かが弾けた。
「ちょ!ちょっと!何で私があんたの部屋の隣の部屋なのよ!冗談じゃない。あんたの部屋の隣の部屋になるくらいなら物置小屋の方がマシよ!」
「お前、何か勘違いしてないか?」
な、何よ……。
凄く冷静な一海さん。
しかも“はぁ”って溜め息までついちゃってるし。
ムカつく〜!



