何なの!この広い部屋は!
こんな広い和室は見たことがない!
ここは旅館の宴会場か?ってくらい広い。
和室の左側一面にある障子が開けられていて、縁側の向こうは広い庭が広がってる。
右側の壁には先祖代々の写真なのかな?
たくさんの写真が飾られている。
そして床の間の前に、貫禄のある男性が胡座をかいて座っていた。
一海さんと同じ格好してる。
この人が一海さんのお父さん?
「父上!」
あぁ、やっぱり一海さんのお父さんだったんだ。
一海さんが机を挟んだ向かいに正座で座る。
私はどうしたらいいのかわからず、襖の前に突っ立ったまま。
「おぉ!一海!帰って来たか!」
「はい。ご無沙汰してます。挨拶が遅くなって申し訳ありません」
一海さんが土下座する勢いで頭を下げる。
親子なのに他人行儀な挨拶。
変なの。
てか、お父さんが“帰って来たか”と言ったって事は、一海さんは普段この家には住んでないってこと?



