桜の木の下で…―運命に導かれて―




ゆっくり顔を上げていく。


白い靴、白いズボン……そして……。


顔を上まで上げた時、私の目に収まりきれない涙はポロポロと零れ落ちていった。



「一海、さん……」



目の前に一海さんがいる。


やっぱり夢なのか。


それとも、また運命の扉が開かれ、タイムスリップしてしまったのか……。


胸がドキドキする。


痛いくらいに張り裂けそうなくらいにドキドキしてる。



「一海、さん……」



私の呼びかけに何も言わない一海さん。


ただ、あの無表情なままで私を見ているだけ。


何かしゃべってよ!ねぇ、一海さん!


その時、一海さんが私に手を差し出してきた。


その手をギュッと握る。


そして……。