桜の木の下で…―運命に導かれて―





「伯父は、ずっと独身だったって聞いてたけど……」


「えっ?」



独身?


いや、そんなはずは……。



「本当に独身だったんですか?」


「婚約者はいたらしいけど。配属先から帰って来たら籍を入れる予定にしてたみたい。だから仮祝言も上げて一緒にも住んでたらしいけど……」


「で、その婚約者は……」


「伯父が戦死して、婚約者の方も実家に戻られたみたいね。それから先の事は何も聞いてないからわからないわ」


「そうなんですか……」



一海さんと美乃さんは籍を入れてなかった。


嬉しいと思う反面、美乃さんの気持ちを考えると悲しいとも思える。


私の中で複雑な気持ちが交差していた。