桜の木の下で…―運命に導かれて―




さすがに先生と同室ってわけにはいかず……。


私は、先生のお母さんと一緒に寝ることになった。


寝る場所は仏間。


祭壇が飾ってあって、そこに多恵ちゃんの遺影とお遺骨が置いてある。


私は、多恵ちゃんにお線香を上げさせてもらった。


あの頃の光景が思い出される。


遺影の中の笑顔の多恵ちゃんは、当たり前だけど、おばあちゃんで。


でもあの頃の面影も残っていて、懐かしく感じた。



「桜子ちゃんに、お線香を上げてもらって、お母さんも喜んでるわ」



先生のお母さんは布団を敷いてた手を止めて、祭壇の方を見ながらそう言った。



私はカバンから香水のビンを取り出すと、それを祭壇のお遺骨の隣に置いた。



「あれ?その香水のビン……」


「これは、私が多恵ちゃんにあげたものだから多恵ちゃんに返そうと思って」


「いいの?」


「はい」


「いつも大事に持ってたわ。良かったわね、お母さん」



先生のお母さんは優しく語りかけるようにそう言うと、再び布団を敷き始めた。



「手伝います」


「いいのよ。桜子ちゃんはお客さんなんだから。ゆっくりしてて」


「でも……」


「いいのいいの」


「すみません……」



私は、先生のお母さんの言葉に甘えて、その場に座った。