「ゴメンなさいね……。こんなバカ息子が学校の先生だなんて先が思いやられるわ……」
和菓子を食べている先生に向かって、先生のお母さんは情けないと言わんばかりに溜息混じりにそう言った。
「でも、あなたが一条桜子さんだったなんて……」
先生のお母さんが私の方に視線を向けた。
そう言った先生のお母さんの目が少し潤んでいる。
先生のお母さんが驚くのもおかしくない。
だって、先生のおばあさんである多恵ちゃんが探していたのが、多恵ちゃんと同い年の人ではなくて高校生なんだもん。
「もぉ!裕介!本当に何でちゃんと教えてくれなかったの!」
再び先生のお母さんは先生にキツク叱るようにそう言った。
「だからサプライズだって!それに、俺から話したって信じてくれそうになかったし。一条から直接話した方がいいかな?と思ってさ」
「だからって……。あっ!だから、さっき門のところで私の顔を見た時に、お母さんの名前を……」
私は先生のお母さんの言葉にコクンと頷いた。
「私は、お母さん似だったから……」
先生のお母さんはそう独り言のように呟いた。



