桜の木の下で…―運命に導かれて―




先生は私が泣き止むまで、側にいてくれた。


1週間だけ過ごした出来事は、夢なんかじゃなく現実だった。


事故に遭った事によって運命の扉が開かれ、72年前の日本にタイムスリップしてしまったんだ。


一海さんが遺した写真を胸に抱きしめた私の中にある思いが浮かんだ。


それは……。



「先生?」


「ん?」



ピアノを片手で弾いていた先生は、手を止めて私の方に向いた。


そして……。



「一海さんと、多恵ちゃんの、お墓に連れて行って下さい……」



私は先生の目を真っ直ぐ見て、そう言って頭を下げた。