桜の木の下で…―運命に導かれて―





「タイムスリップ?」


「私、学校の帰りに車に轢かれそうになったんです。怖くて目を瞑って……それから……目を開けると、夕陽ヶ丘に倒れてたんです……」



私はあの不思議な出来事を先生に話した。


あの1週間の出来事を……。


再び目覚めたら病院のベッドの上だった。


だから私は夢だと思ってたってことも……。


全て話した。



「西園寺一海って、俺のじいちゃんのお兄さんだよ」



やっぱり……。



「じゃー……先生のおじいさんの名前って……西園寺一里?」


「そうだよ。母方のじいちゃんばあちゃんだけどな。さっきのタイムスリップの話だけどな。あるかもしれないな……」



先生は立ち上がって、窓のとこまで行った。


窓の外を眺める先生。



「事故に遭いそうになって目を瞑った瞬間、運命の扉が開かれたんだよ」



先生が私に背を向け、外を眺めたまま言った。


夕日に照らされた先生の横顔が美しくてトクンと胸が小さく跳ねた。