「先生、おばあさんの名前って……」
「西園寺多恵。旧姓は朝山」
「えっ?」
私の口から小さく声が出た。
両手で口を塞ぐ。
それと同時に私の目に涙が溜まり、その涙が頬を伝って流れ落ちた。
夢じゃなかったって、こと?
「先生?」
「ん?」
「多恵ちゃ……いや、おばあさんは何で私が朝日町に住んでることを知ってたの?」
私は多恵ちゃんに朝日町から来たと一言も話してない。
「じいちゃんのお兄さんから聞いたらしい……。でも昔は朝日町はなかったらしいけどな」
じいちゃんのお兄さん?
えっ?
その人って……。
あぁ、更に頭がこんがらがってきた……。
でも夢じゃなかったら……。
「先生?」
「ん?」
「おばあさんは元気?」
「亡くなったよ……。1ヶ月前にな……」
亡くなった……。
その言葉に涙が更にあふれる。
やっぱり夢じゃなかったの?
私は……。
「先生?」
「ん?」
「タイムスリップって信じますか?」
そう恐る恐る聞いてみた。
先生が目を見開いて私を見る。



