「肉親に、最後の別れを告げるための休暇だ」 淡々とそう言う一海さん。 最後の別れ……。 この時代にそれを意味するもの。 それは………。 死ーー。 「俺たちは、前線に配属される。帰れる保障はない。だからこの美しい桜を目に焼きつけておきたいんだ……」 やだ………。 やだよ…………。 一気に洪水のように目から涙が流れる。 一海さんの顔が涙で歪んで見えた。