桜の木の下で…―運命に導かれて―





「この前も同じこと言ってたよね?」


「あぁ」


「どうして?」



まるで来年は桜が見れないみたいな言い方じゃん……。



「俺も明日、あの家を出る」


「えっ?」



目を見開いて一海さんを見る。



「なぁ、桜子?」


「ん?」


「兵学校卒業後、1週間の休暇をもらって、なぜ帰省してきたか、わかるか?」


「わかん、ない……」



私は首を左右に振った。


どうして?


春休みみたいなもの?


わかんないよ……。