離れから屋敷へ行き、裏口から中に入った。
もう皆、働いてる。
「お世話になりました」
私は1人1人にそう言って挨拶していった。
あまり話したことない女中さんも、私が挨拶すると、仕事の手を休めて、私の手を握ってくれた。
「元気でね!」
笑顔でそう言ってくれた。
中には、少し悲しそうな顔をして、私の手を握りながら
「桜子ちゃんがいないと寂しい」
と、言ってくれた人もいた。
そして意外だったのは小泉さんが泣いていたこと。
「目にゴミが入った」
と、言ってたけど。
あの小泉さんが泣くなんて……。
明日、雨にならなきゃいいけど……。



