出て行く日が来た。 今日、私はここを出て行く。 これからのことは考えてない。 自分が生まれ育った時代に帰りたい。 ふいにお父さんとお母さんの顔が浮かんできた。 どうしてこの世界に迷い込んでしまったんだろう……。 私は、この世界に来た時に着ていた学校の制服を着た。 着物を綺麗にたたんで畳の上に置いた。 そして鞄を持つと部屋を出た。