写真館を出た後、私たちは黙ったまま並んで歩いた。 「ねぇ、一海さん?」 沈黙を破ったのは私。 「何だ」 一海さんを見上げる。 でも一海さんは前を見たまま。 こっちを見てくれない。 「どうして写真撮ったの?」 「撮りたかったから。ただ、それだけだ」 前を真っ直ぐ見たまま一海さんが言った。 撮りたかったからか……。 ちょっと期待しちゃった。 自惚れてるね……私……。