和室を出ると、一海さんが壁に寄りかかっていた。 一海さんの隣には多恵ちゃんが泣きながら立っていた。 「一海、さん……。多恵ちゃん……」 「ついて来い。多恵、お前も一緒に来い」 それだけ言うと、一海さんは歩き出した。 私と多恵ちゃんは一海さんの後ろをついて歩く。 階段を上がって行く。 私と多恵ちゃんは無言のままだった。