丘を下った光景に私は目を見開いた。
「えっ?なに、これ……」
思わずそう声に出してしまった。
木造の家やお店が建ち並び、ビルなんてひとつもない。
オシャレなカフェも雑貨屋もない。
歩く人も違う。
モンペ姿の女性や子供が多い。
家の前では女性同士が集まり井戸端会議をしていて、その周りで、坊主頭の男の子、おかっぱ頭の女の子が遊んでいる。
通り過ぎて行く人が私をジロジロ見て行く。
走っている車も私が知ってる車じゃない。
戦争もののドラマや映画でしか見たことないような……。
まるでドラマのセットのような……。
タイムスリップしてきたような……。