私も案内された部屋の中に入る。
何もない部屋。
「はぁ……」
私は溜め息をつくと、その場に座り込んだ。
手には白いカーディガン。
それを見ると涙があふれてきた。
悔し涙と美乃さんに対しての嫉妬。
私は声を殺して泣いた。
本当は声を出して泣きたい。
大声で泣きたい。
でも隣に一海さんと美乃さんがいる。
だから声を出すことが出来ない。
私はカーディガンを左右に思いっきり引っ張った。
私はそのまま夢中でカーディガンをビリビリに裂いた。
自分でもこんな力があったのかとビックリするくらい。
ビリビリにしたカーディガンを丸めてゴミ箱に捨てた。
そして私は部屋の真ん中に寝転がった。
私にとって辛い夜の始まりだった……。