桜の木の下で…―運命に導かれて―





「あっ!そうだわ!」



夕飯中。


突然、美乃さんが声を上げた。



「どうした?」



一海さんが美乃さんを見る。



「桜子さんって、一海さん専用の女中なんでしょ?」


「あぁ」


「だったら私にとっても専用の女中になるはずよね?」



えっ?


この人は何を言ってるの?


一海さん専属の女中である私が、なぜ美乃さん専属の女中にもなるわけ?



「私たちの離れの隣の部屋に桜子さんも来て頂いたらどうかしら?」



はぁ?


冗談じゃない!



「どうかしら?一海さん?」



断って!お願い!



「あぁ、そうだな……」



えぇ!


どうして断ってくれないの?


嫌だ、嫌だよ……。


私は再び下を向いた。


その時、美乃さんが、ほくそ笑んでいたなんて知らなかったんだ……。