桜の木の下で…―運命に導かれて―




和室に入ってビックリした。


だって美乃さんがいたから。


結婚したとはいえ、それは仮で本当に結婚したわけではない。


籍だって入ってないはず……。


なのにどうして美乃さんがいるのか……。


それも一海さんの隣に。



「桜子さん?」



美乃さんに声をかけられた。



「何でしょう?」


「私、今日からここに住むことになったの。一海さんの妻として西園寺家の嫁として仕来たりを覚えるためにね。これから宜しくね」


「あ、はぁ……」



何が妻として嫁としてよ。


女中さんが全てするんだから覚える必要ないじゃない。


しかも言い方が、いつものようなお嬢様な感じではなくて、何だか見下されてるみたいで嫌。


一海さんと並んで、隣で笑っている美乃さんなんか見たくない。


正座をして座っていた私は、着物をギュッと握り締め下を向いていた。