桜の木の下で…―運命に導かれて―





「ねぇ、桜の花言葉知ってる?」



沈黙を破ったのは伊織さん。



「花言葉?」



私は寝転んでる伊織さんを見下ろした。



「優れた美人、純潔、精神美……。桜の種類によって違うみたいだけどな」



あっ……。


お母さんが昔、教えてくれたのを思い出した。


桜子って名前の由来を。


『桜の花言葉は優れた美人なんだって。だから桜のように優れた美しい子になりますようにって願いを込めて桜子にしたのよ』って……。



私は伊織さんに私の名前の由来を教えた。



「キミにピッタリだね。汚れがなく清らかで……一途に人を想う心……」



伊織さんが上半身を起こした。